34番札所:永光寺(通称:牡丹不動尊)

34番札所:永光寺(通称:牡丹不動尊)

ご詠歌

月影は いつもさやけき 三和の里 不動の光 四方を照さん

宗旨
真言宗豊山派
御本尊
大聖不動明王
寺宝
殿堂供養塔 / 大日如来 / 十一面観音 / 五鈷鈴 / 中国製の香炉
住所
〒306-0101
茨城県古河市尾崎954

境内を彩る華麗な牡丹の花園

国道125号線が東西をはしる三和町。水田を中心に限りなく田園地帯が広がり、あらためて関東平野の広さを感じてしまう。  永光寺からは、この風景がまさに手にとるように見える。

境内にはいってまず目に飛び込むのは、鮮やかな赤を誇らしげに見せる牡丹の花々。 総数およそ三千株あり、開花時には数千人の見物客でにぎわう。
牡丹園を両脇に従えるかのように建っているのが本堂。牡丹の華やかさに対して素朴な味わいをみせる。

その左には、頑丈な土台が安らかな安定感をただよわせつつも、本堂の“静”とは対象的に“動”の趣を見せる鐘楼堂が、本性を隠しているかのように、いかにも「どっしりと」といった風貌で構える。 なかなかに個性的で、ついつい見とれてしまう。

永光寺は承和十年(843)に、無善和尚によって開山された、歴史の古い寺。
その面影は今も堂宇のひとつひとつに残っている。

この寺を語る上で忘れてはいけないものがもうひとつ。寺宝になっている殿堂供養塔がそれ。
この塔は、寛政三年(1791)、無善和尚の徳を讃え、永光寺全盛時代に建立されたもの。そこには、門人の数都合二十一人と記されており、当時の隆盛ぶりがうかがい知れて興味深い。

34番札所:永光寺(通称:牡丹不動尊)

歴史に思いをめぐらせているうちに、目は自然と牡丹園に向いているから不思議。
境内には、牡丹の他にも梅、桜、ツツジ、アジサイ等があり、年間を通じて花の絶えることがない。

山内に四国八十八か所の札所がある永光寺。
弘法大師ゆかりの八十八か所霊場を巡礼したのと同じ功徳が得られると聞く。
境内にはいったら、牡丹に見とれるのもいいが、札所巡りをしてみるのも面白い。

 

【護摩】
―護摩を焚く―良く耳にするこの言葉も、その意味や由来となると案外に難しいものです。
古代インドでは、火は天の口であるから、供えた物を火で焼けば天がそれを食べ、かわりに人間に福を与えると考えていました。 これが仏教に採用されて、煩悩を焼くために木を燃やすようになったのですが、同時に息災・延命・増益といったご利益を祈る方法とも考えられたのです。
護摩という言葉は「焼く」という意味の梵語の音写なのです。