1番札所:水上寺(通称:成田水上不動尊)
ご詠歌
根来なる いおぶの山に 澄むつきの 光は永く 世々を照らさん
宗旨 |
真言宗智山派 |
御本尊 |
大日大聖不動明王並に両童子(座像) |
寺宝 |
金剛界・胎蔵界両部曼荼羅 / 宝剣 |
住所 |
〒379-1617 群馬県利根郡みなかみ町湯原340 |
出湯の里 由緒深い不動尊
上州は関東の名だたる山岳県。利根川沿いに北上してゆくと、緑豊かな尾根筋や切り断つ岩壁、雄大な丘綾群などが無数の自然美を織りなし、一種敬虔な気持ちにさせられる。
北関東三十六不動尊霊場・発願の寺、成田山水上寺はそうした風光のなか、静かに我々を迎えてくれる。
出湯の里として名高い水上温泉郷から少し離れた山腹をゆくと、長い階段の末に水上寺の伽藍となる。 立派な仁王門をくぐると、たくさんの石碑石塔群、美しい鐘楼、巨大な松の木などを従えて、本堂が正面に鎮座している。
この本堂は、昭和35年に落成した比較的新しい建物ながら、その威容はすばらしく、我々巡礼も思わず目をみはることとなる。
この本堂に安置される本尊・大日大聖不動明王は、五穀豊穣・万民豊業を請願して、明治21年大本山成田山新勝寺より勧請したもの。上総国成田より、お肩移しにて運び、上州利根郡水上の地まで28日間を費して遷座されたという。
この不動明王は、天保年間(1830~1843)に一本の御神木から敬刻された内の一体で、日本三体不動尊と呼ばれる由緒深い尊像。北関東三十六不動尊霊場巡礼の一番札所に相応しい、霊験あらたかなお不動様と言える。
明治21年からは仮宮に安置されていた訳だが、先に述べた様に、昭和35年初代奉賛会々長木村儀一翁等、多数の人々の協賛により開山され、本堂が完成。以後はこちらに安置されている。
開祖第一世は小豆畑照清和尚で、宗教法人真言宗智山派水上寺として設立、開運厄除・交通安全・商売繁昌・家内安全等、北関東随一の祈願寺として広く人々に知られ、寺門は興隆している。
又、水上寺は地域に根ざした開放的なお寺としても知られている。除夜の鐘を一般参詣客に撞かせてくれたり、春・秋大祭では釜鳴り・光護摩を地域の人達にも開放している。
そうした行事のなかで、特に有名なものが、お盆供養(御霊フェスティバル)だろう。地域の人々はもとより、参詣客、観光客等すべての人が楽しみにする一大祭典となっているのだ。
巡礼の折りに、これら水上寺の心安まる行事に触れられれば、きっと素晴しい思い出になるに違いない。
水上という地は、温泉郷として著名なのは言うまでもないが、近隣に谷川岳や奥利根高原などの観光地もたくさん抱えている。
これらの景勝を楽しみながらも、『三密修行』の意を新たにして、我々巡礼の旅は始まる。